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“地球からの預かりもの”を道具へと調理する、製硯師とラドーの共通点

先駆けてセラミックスを外装に用いるなど、時計界に革新的な風を送るラドー。その在り方は、各界で異彩を放つイノベイターと共通するものがある。

5回にわたって、そんなイノベイターたちに「クリエイティブ」についてインタビュー。5人目は……

青栁貴史 Takashi Aoyagi
1979年東京都生まれ。青栁派四代目製硯師。二代目の祖父・保男と三代目の父・彰男に作硯を師事。代々経営する浅草の書道用具店、宝研堂内に工房を構える。硯となる石探しに、命がけで秘境を巡ることも。大東文化大学文学部書道学科非常勤講師。著書に『硯の中の地球を歩く』(左右社)など。

新たな価値の創造は、イノベーションに欠かせない要素のひとつだ。例えば、セラミックスの分野で時計界の先頭をひた走るラドーが世に生み出したセラモスという先進素材。古来、人類が親しんだ“陶”の技術から生まれるセラミックスにメタルを融合することで、そのどちらにもない輝きと相互補完による品質の向上を成し遂げた。

翻って硯(すずり)の世界。毛筆文化を唐の時代より担い続ける道具だが、その製作で硯に新たな価値を生む男がいる。青栁貴史さんだ。硯の師でもある父が命名した「製硯師(せいけんし)」を継承する。

「私の場合、日本の伝統的な硯職人とは少し意味合いが違います。あえて定義すれば、“硯についてなんでもできる技術者”。作硯もしますが、時代や土地ごとに異なる硯について、あらゆる角度から研究もしています。硯の修復や再現にも役立つだけでなく、何より現代に生きる我々にフィットする硯がどんなものかを探求するうえでも欠かせません」。



青栁さんが作った硯。右は、明代を代表する長方淌池硯。左は、清の時代に流行した吉祥図案入り。中央が、青栁さんの考える現代的な硯。「自然の造形を活かして、刃物を入れずに削った」とのこと。自然が生んだ質感が美しい。
人呼んで「硯ハンター」。青栁さんはしばしば、材料となる石の探索をするために、日本や中国の山奥へ旅に出る。そして、探し出した石に適した硯を生み出すべく、常に感覚を研ぎ澄ませている。

「硯は、地球からの預かりものです。何万年もかけて地球が作ってきた石を、いっとき僕らが硯に調理しているだけ」と語るように、自然との調和を強調する。「毛筆の道具に使われるのは、毛を束ねた筆、石を削った硯、木の繊維である半紙、植物の煤(すす)からなる墨と自然材料だけ。手書きの温かみも現代の感性にぴったり。毛筆文化の素晴らしさを、もっと世の中に広めていきたいですね」。


宝研堂内の工房にて。「この道20年。石と自然体で向き合うのには、長い時間がかかりました。力は使いますが、筋トレは不要です(笑)」。
そして、優れた道具という意味において、ラドーの時計にも共感する。

「セラミックスの質感と造形に、使う人のことを考慮した道具としての完成度の高さを感じます。僕は石を、ラドーはセラミックスを、ともに自然のものを調理する点が似てますね」。

硯に新しい可能性を探る青栁さん。その作務衣姿にラドーと硯石が見事な調和を見せる。和洋折衷の粋な姿で見せた笑顔が印象的だった。

お互い“地球からの預かりもの”を道具へ調理していますね


ローズゴールドカラー セラモスケース、41mm径、自動巻き。24万円/ラドー(スウォッチ グループ ジャパン 03-6254-7330)
ダイヤマスター セラモス オートマティック
「セラミックス90対メタル10」という、ラドーの独自配合により生まれる特殊素材セラモスをケースに採用した最新作。アールのついたお椀型のサイドビューにより、その輝きも強調。

「肌への接触面が少ないために、着用感が快適。メタル特有のひんやり感もないのがいいですね。ケース裏のアール形状に刺激を受けました。こんな硯を作りたいな」と作硯への意欲が掻き立てられた様子。

「傷の付かないゴールドカラーも美しい。スーツ姿の右手にこの時計を装着、その手に小筆を持ってさらりと一筆したためたら、最高に格好良くないですか?(笑)」。

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「キャリバー 02」と「キャリバー 12」を搭載した2種の新作「モナコ」登場

タグ・ホイヤーは、同社のアイコニックピース「モナコ」の新作2モデルを発表した。オータビアにしか搭載していなかった最新の自社製ムーブメント「キャリバー ホイヤー02」を初めて搭載したモデルと、「スーパーコピー時計」を搭載する最後のモデルだ。

注目は自社ムーブを搭載した「モナコ キャリバー ホイヤー02 クロノグラフ」



左■タグ・ホイヤー モナコ キャリバー ホイヤー02 クロノグラフ
自動巻き。SSケース(39mm×39mm)。パワーリザーブ約80時間。100m防水。640,000円(税別)
右■タグ・ホイヤー モナコ キャリバー12 クロノグラフ ファイナルエディション
自動巻き。SSケース(39mm×39mm)。パワーリザーブ約40時間。100m防水。640,000円(税別)
 左が最新の自社製ムーブメント「キャリバー ホイヤー02」を初めて搭載した「モナコ キャリバー ホイヤー02 クロノグラフ」。華やかなブルーサンレイダイヤルに赤をアクセントとして使うことによって、このウォッチのスポーティなデザインが際立っている。

 右の「タグ・ホイヤー モナコ キャリバー12 クロノグラフ ファイナルエディション」は、グレーのバーティカルサテンダイヤルとブラックのインダイヤルにブラックアリゲータストラップの組み合わせで、とても大人っぽいクラシックなデザインに仕上がった。

世界初の角型自動巻防水時計として1969年に誕生した「モナコ」
 「モナコ」は、世界初の角型防水時計であり、世界初の自動巻きクロノグラフとして1969年に誕生した。当時リューズを左に配置するデザインはとてもアヴァンギャルドで人々を驚かせた。タグホイヤー コピーまた”キング オブ クール”の異名を持つ名優スティーブ・マックイーンが映画「栄光のル・マン(1971年)」の中で着用したことで更に注目を集めた伝説のタイムピースだ。



本作で生産終了する「キャリバー12」搭載の「モナコ」
モナコ

「キャリバー12」を搭載するこの最後のエディションは世界限定1,000本であり、ケースバックに”ONE OF 1000”の文字が刻印される



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パルミジャーニ・フルリエからローズゴールドがエレガントなトンダグラフが発売

パルミジャーニ・フルリエの「トンダ」コレクションに、トゥールビヨン搭載の新作トンダグラフが登場する。ローズゴールドのケースとギヨシェ彫りのダイアルがエレガントなモデルとなっている。



知的な雰囲気漂うスレートグレーのダイアルに、ローズゴールドのアプライドインデックスがアクセントになっている。デルタ型スケルトンの針は個性的でありながらも上品な印象だ。


伝統と革新を融合させた新しいトンダグラフ
 パルミジャーニ・フルリエの中でも、最も種類が豊富なコレクションである「トンダ」コレクション。イタリア語で「円」を意味する「トンダ」をコレクション名としている通り、全てのモデルが円形のケースで統一されている。オメガ時計 メンズそれでもなおバリエーションに富んでいるのは、純粋な円という形が創造性を発揮しデザインの探求の場となりうるからだ。



手巻き(Cal.PF354)。29石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約65時間。18KRG(直径43.0mm、厚さ13.4mm)。30m防水。1990万円(税別)
 新作のトンダグラフは、トゥールビヨンを6時位置に、クロノグラフの30分積算計を3時位置に配することで、この二つの機構を強調するデザインだ。また9時位置にスモールセコンドを、12時位置にパワーリザーブインジケーターを配置することで、ダイアル上をシンメトリーに仕上げている。針はスケルトンになっており、インダイアルを覆い隠さないよう配慮されている。スレートグレーの文字盤にはライスグレイン模様のギヨシェ彫りが施され、見た目にも美しい。

 搭載されているのは自社製の手巻きムーブメント「PF354」。このムーブメントは295個もの部品で構成されている。面取り加工が施されたトゥールビヨンブリッジやペルラージュ仕上げが施された香箱に、マニュファクチュールとしてのパルミジャーニ・フルリエの技術力を垣間見ることができるだろう。ストラップはエルメス社製のもので、ハバナカラーのアリゲーターストラップが採用されている。バックルにはケースと同じ18Kローズゴールドが使われている。


サファイアクリスタルのケースバックからは、美しく仕上げられたパーツを鑑賞することができる。


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爽やかすぎるブルーダイヤル、ブレゲ「トラディション オートマティック レトログラード セコンド 7097」

今ではブレゲのアイコンに成長した「トラディション」が発表されたのは2005年。それは、ムーブメントの調速機構を地板の上に配し、表から見えるようにした初の時計だった。その剥き出しの機械感が人目を引かずにおれない「トラディション」コレクションに、初めてブルーダイヤルが加わった。ブレゲ ブティック限定モデル「トラディション オートマティック レトログラード セコンド7097」の若々しい印象となっている。


ブレゲ「トラディション オートマティック レトログラード セコンド 7097」
直径40mmのケースに納められているムーブメントは、アンクルにシリコン素材を使った脱進機や、同じくシリコン素材による外端曲線付きブレゲひげゼンマイを搭載し、非常に安定した歩度を実現しているキャリバー505SR1である。
自動巻き(cal.505SR1)。38 石。2万1600振動/時。18KWG(直径40 mm、厚さ11.8 mm)。パワーリザーブ約50 時間。30m防水。391万円(税別)。ブレゲ ブティック限定


トラディションの源流は「スース クリプション」



このモデルは、同コレクションの他のモデルと同様に、ブレゲ初期(1796年)の懐中時計「スースクリプション」ウォッチからインスピレーションを得て開発されている。中央に配置された香箱に加え、これを挟んで左右対称に向かい合う同サイズのテンプと2番車が「スースクリプション」の特色である。

地板とブリッジの表面には「グルネイユ(サンドブラスト)」と呼ばれる装飾仕上げ



レトログレイド式スモールセコンドは、10時位置に置かれ、ロジウム仕上げのブレゲ針を採用する時針や分針とともに秒を表示。時刻の読み取りやすさを最適化し、このスモールセコンドを強調するために、ペルラージュを施した半円形の秒目盛りがダイヤルに重ね合わされた。パラシュート衝撃吸収装置は、左右対称に歯車が配置されたダイヤルの4時位置のテンプに組み込まれている。ブレゲが発明した、このテン真を衝撃から保護する装置は、「トラディション」コレクションの一目でわかる特徴である。それはまた、「インカブロック」を含む、現在の時計に使われている耐衝撃機構のまさに元祖なのだ。

2021年の干支「丑」がモチーフのハリー・ウィンストン「HW プルミエール・チャイニーズ ニューイヤー オックス オートマティック 36mm」

ハリー・ウィンストンより、2021年の干支である丑をダイアルにあしらった「HW プルミエール・チャイニーズニューイヤー オックス オートマティック 36mm」が発表された。世界限定8本のみの販売となる。



今にも走り出しそうなほど躍動感にあふれた丑、真紅のマザー・オブ・パール、ダイアル下部の繊細な模様など、まるで絵画のような手の込んだダイアルだ。丑は勤勉かつ高貴な動物とされており、中国文化では非常に大切にされている。「HW プルミエール・チャイニーズ ニューイヤー オックス オートマティック 36mm」。自動巻き(Cal.HW2014)。28石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約68時間。18KRG(直径36mm、厚さ9.36mm)。3気圧防水。世界限定8本。560万円(税別)。


今にも駆けだしそうな躍動感を持って描かれた、2021年の干支「丑」
 毎年恒例となったハリー・ウィンストンのチャイニーズ ニューイヤーモデル。同社は2016年より、その年の干支をあしらったモデルを、中国で縁起が良いとされる世界「8」本限定で発表している。今回発表されたのは、2021年の干支である丑をテーマとした「HW プルミエール・チャイニーズ ニューイヤー オックス オートマティック 36mm」だ。



チャプターリングやインデックスにセットされたダイヤモンドが、レッド マザー・オブ・パールを背景にゴールドで描かれた牛を引き立てる。ダイヤモンドは、同社の宝石職人によって精緻にセットされている。
 まず目に飛び込んでくるのは、ダイアルいっぱいに描かれたローズゴールドの丑だろう。角や脚には、トップジュエラーである同社の宝石職人がセットしたダイヤモンドが輝き、躍動感あふれる姿を一層輝かせている。マザー・オブ・パールによる深紅のダイアルは、素材特有の幻想的な虹色の輝きを放ち、光の当たり具合によってさまざまな表情を映し出す。ダイアル下部には中国の伝統的な絵画に見られる風景をオマージュした、起伏に富んだ山並みが描かれている。12時位置のインデックスは、創始者ハリー・ウィンストンが最も愛したエメラルドカットのダイヤモンドがセットされている。

 ベゼルとラグ、リューズトップも含めて、ケースには合計57個ものダイヤモンドがセットされ、ダイアルを引き立てている。ダイヤモンドは、優雅なデザインのアルディロンバックルにもセットされており、ダイアルカラーと同じシャイニーレッドのストラップとともに、一体感を高めている。



ラウンド・ブリリアントカット・ダイヤモンド179個とエメラルドカット・ダイヤモンド1個による総計約2.8カラットの輝きは、実物を見なければ分からないだろう。きらびやかな見た目ではあるが、統一感のあるカラーリングによって、まとまりのあるデザインに仕上がっている。
 シリアルナンバーが刻印されたケースバックはシースルーとなっており、ローズゴールド製のスケルトンローターを備えたムーブメントを鑑賞することができる。シリコン製ヒゲゼンマイを採用し、約68時間ものパワーリザーブを備えるこのムーブメントは、受けのコート・ド・ジュネーブや地板のサーキュラーグレインなど、細部にまで繊細な仕上げが施されている。

 限定モデルらしく、ボックスは専用のものが用意されている。ゴールドのセリグラフィが施された、レッドラッカー仕上げで、新年を祝うに相応しい華やかな専用ギフトボックスとなっている。


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